大川わたり (祥伝社文庫)

大川わたり (祥伝社文庫)山本 一力勇気と力を与えてくれる
真面目に働いていれば何のことはなかったのに。ちょっとした

ことがもとで人生につまづいてしまった銀次だったが、周りの

人たちに助けられ支えられてようやく立ち直りのきっかけを

つかむ。だが、そのことをよく思わない者もいた・・・。

作者お得意のパターンの話だ。人生、時にはしくじることも

あるが、コツコツと地道に真面目に努力をすれば、いつかきっと

報われる。この作品は、読み手に勇気と力とを与えてくれる。

江戸の町に暮らす人たちの人情もほのぼのとして心地よい。

読後感もさわやかだった。

勢いがある作品
大工の銀次は賭場の借金を返すまで大川を渡れなくなる

という妙な約束を達磨の猪之介とさせられる。

剣術道場の堀正之介老人に従って、木刀の素振りや、

お店言葉を使ったり、千代屋で呉服屋の手代に商売替えをさせられたりと、

前半はかなり変わった更生サクセスストーリー。

猪之介の賭場の代貸・新三郎の執拗な嫉妬心から、銀次がはめられていく

ストーリー展開といい、どとうのまくりのクライマックスといい、この話には

勢いがあります。

結末にはだまされました。

出版に際して手直ししているとはいえ元が山本一力さんが、生まれて初めて

書きとおした長編小説というところから、あー、なるほどだから勢いがあるのか

と思いました。

細かい部分は気にせずに、勢いにまかせて読まされてしまうといいと思います。

一力作品はさわやかEND  
大川わたりというタイトルが粋だね。「わたり」が「渡り」だったら本を手にしていなかったと思う。一力作品に初めて女の色香と濡れ場の場面が出てきた。藤花と名乗る芸妓あがりの女。今の女優さんに当てはめると誰がふさわしいかななどと思いは巡り作中にのめりこみ。クライマックスは言うてはなんだけど、これまでのまじめなストーリーからして奇想天外。おおだんなさんの解決方法、登場人物の扱いかた、場面設定は趣向を凝らして?おもしろい。そして,最後はめでたし、めでたし・・・・一力作品はさわやかEND  今晩も健やかに眠れそうです。おやすみなさい。
大川わたり (祥伝社文庫)

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