石田衣良
反自殺クラブ―池袋ウエストゲートパーク5 (文春文庫 い 47-9)
反自殺クラブ―池袋ウエストゲートパーク5 (文春文庫 い 47-9)石田 衣良
4話それぞれのおもしろさ
4つ話が掲載されているが、
どれもなかなかおもしろくて、満足できる内容。
このシリーズの良さは絶妙な「軽さ」。
話には様々な現代社会の問題がちりばめられているんだけど、
それをあまり深刻に捉えず、
フリー探偵者のごとき主人公の解決ストーリーという形で、
さらっと軽く描いているのがいいんだと思う。
4話の中でもページを割かれている反自殺クラブが、
特におもしろかったんだけど、
それを取り上げることで、
自殺はいけないだとか自殺サイトの存在を糾弾するとか、
そういう強いメッセージは敢えて投げかけず、
登場人物がそれぞれの立場での言い分を述べながら、
物語が終わっていくので、
いろいろな解釈が読者によってできるし、
読後感がさらっとしていていい。
たとえば同じ問題を山崎豊子が取り上げられたら、
これでもかというぐらい問題の暗部を見せられ、
絶望的な気分になったりするのかもしれないけど、
そういう「重い」本ってなかなか読みづらいのが本音だとすると、
こういう軽さで社会問題をなんとなく意識させる手法って、
ある意味では、時代に合った有効な手法であるような気がする。
それに物足りないと感じる人もいるかもしれないが。
私は山崎豊子の重さも好きだけど、
石田衣良の軽さもすごく好き。
読みやすいのでおすすめの本です。
標題作品は結構重い作品
全体的に短編としてはまとまった
作品であるが、昔のように勢いが
ある作品が少ない。
今どきのテーマも扱っており綿密
な取材をしており、その成果も作
品に出ているが、あまりにリアル
な形で作品に出ている部分があり
読者が暗い気分になるところもあ
る。
もう少し他の作品とも関連するよ
うな要素をもっと増やして、完全
な独立した短編の枠を超えた作品
をもっと書いて欲しい。
旬のテーマを切り取って
すぐに古くなってしまう雑誌のような、今が「旬」のテーマを扱う「IWGP」シリーズ。
だからこそいつも新鮮で、読むたびに池袋の街を訪れたい衝動に駆られてしまう魅力がある。
今作も楽しみにしていたのだが・・・少しマンネリ気味か?
4編収録されているのだが、細かいオチはともかく「どういう方向へ進むか」というオチが読めてくるのだ。
私は推理小説なんかを推理せず、謎解きまで読んで感心するタイプなのでその私にも先が読めるということは・・・わりと多くの人にとって、先の読める展開なんじゃないかと思う。
それが悪いわけじゃない。ただ、その「オチ」へ行くまでの展開もパターン化してきているような気がする。
山が何度かあって、最終的にハッピーエンド・・・というような展開じゃなく、山は一度きり。
その後何かあるんじゃないかとドキドキしながら読み進めると、あっさり終わってしまう。
「サル」と「姫」の話のときのようなスリル感が無いのだ。
扱っている内容としては、相変わらず「旬」のもので料理の仕方も上手い。
考えさせられる内容も多い。
だからこそ、今度は長編でやってみて欲しい・・・と思うのだが、難しいのだろうか。
反自殺クラブ―池袋ウエストゲートパーク5 (文春文庫 い 47-9)
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眠れぬ真珠 1 (1) (フラワーコミックススペシャル)
眠れぬ真珠 1 (1) (フラワーコミックススペシャル)石田 衣良
おばさんでも若い男性と恋をしたいって事なのね?
吉田真由美さんの作品は、90年代の初期に「GIRLS」を読んだっきりだった。(あのマンガは好きだったわ?。)
あの頃の作品の空気感を再度見てみたかったんですが、それを期待すると失敗します。
内容は×一で、親の遺産で残った逗子の別荘に住む、生活感の無い、自分の作品を雑誌や新聞の挿絵的に掲載する銅版画家の女性のお話でした。
主人公の佐代子はギャラリー経営の同世代の男性の愛人をしています、そんな彼女が行きつけの飲食店で17歳も年の離れた若い二枚目の男性に心を奪われます。
まあね、そりゃ?この漫画の主人公みたいに資産持ちで、フリーランスでもお洒落な職業があって、生活感のない美人さんで、顔に法令線も皺も無い若々しい美人だったら、男性は寄ってくるでしょうよ。
この漫画を見ながら、小林よしのり氏の「中流崩壊」の中に出てくる話で自分の父親が死んだ時に、戦後民主主義育ちの自分の母親と妹が
娘「父さんがいなくなったんだから、いい人を探したら?」との問いに
母「年寄りは好かん。若い人じゃないと。」と言っている会話を聞いて小林よしのり氏が激怒したシーンを思い出しました。
私には分かり得ない事ですが、ウチの近所にもこの様な超元気な、×一、なまほ受けで、男性をとっかえひっかえする女性の性欲むき出しの積極的な女性が存在します。
彼女は30代後半でお孫さんを抱えたお婆ちゃんです。
こういうのを見ると、夫よりも先に死にたいと思います。(それか、おかまと一緒に偽装夫婦をやるとか、吉本ばななのキッチンみたいな生活がベストかも)
今住んでいる地域では、夫の出張時の深夜に、ウチの家に住居不法侵入をしようとする地元民の輩もいます。
(今住んでいる地域の男性と九州南部の男性はキモくて自意識過剰で嫌い。そう言うのはあんた達、同郷・地元民同士でやってよね!)
男性に対して嫌悪感と恐怖心しか持っていない私の様な人間から、この漫画の主人公の様な男性の愛情と情事を求めることが好きな女性(岩井志摩子氏や槙村さとる氏の様な女性)を見ると、正直うんざりします。、
女性の前ではふんぞり返っている癖に、男性の前では上目遣いのアニメ声で身をクネラセテ喋るタヌキ顔の小柄ぽっちゃり系の女性を見る様な感じがして好きになれませんでした。
どうして男性は、男好きの女の所だけで用を済ませないのだろう?男嫌いの女性にまで食指を伸ばさないでほしい。
それに、若い男性は、同じ世代の女性のものでしょうが。若い女性だって然りでさ、これ以上少子高齢化を促進させてどうするの?ったく、中高年の性は気持ち悪いですね。
吉田さんの新境地
吉田さんの絵は、石田さんの小説によく似合う。
女性週刊誌の連載ということで、展開が小説よりスピーディーで、読みやすい。
吉田さんのにしては大胆なシーンも多いけれど、彼女らしいテイストも満載で従来のファンでも楽しめました。
眠れぬ真珠 1 (1) (フラワーコミックススペシャル)
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新基軸の文体 池袋ウエストゲートパーク
新基軸の文体。悪くない一冊 うん、これは面白かった。
文体はわざとこうしているんだろう。拙くて、子供っぽくて、気取っているが、それが池袋の夜の雰囲気(と石田氏が意図しているもの)を鮮やかに伝えている。
「ストリート」を過剰に(?)描写しているとは思うが、一つの世界観を持ったフィクションとして楽しめる。
(読む人によっては、あまりに稚拙に感じるかもしれない。それは、著者の本作での文体は、著者そのままのスタイルではなく、文体を含めて作品なのだということを踏まえる必要があるだろう)
シンプルで読みやすくテンポのいいエンタメ小説非常に軽快な文章でストーリーテンポがよく、
シンプルな話ですっと読める魅力はすごい。
やや主人公ができすぎでそんな奴いねえよ的な感じは気になるが、
まあそれは許せる範囲かな。
この本は4編の短編集なのだが、
「サンシャイン通り内戦」が、主人公の弱さもあり、恋もあり、
そして無益な戦いだけどあり得そうな問題でもあり、
この話がもっともおもしろかった。
軽妙数年前に「そういや、ドラマでやってたなこれ」と思い手に取って、石田衣良にはまることになった本。
登場人物の性格とかが微妙に違ったり、マサの存在がほとんど意味がなかったりと戸惑ったけど、今は小説版のが好き。
主人公マコトが語り手となって、テンポよく軽口交じりで進められるストーリーが読んでいて心地良く、一癖も二癖もあるキャラクターたちが印象に残る。
「オール読物推理小説新人賞受賞」らしいけど、これが推理小説という括りには疑問符。まあ全然ミステリじゃない小説をミステリと冠して宣伝する小説が溢れ返ってるから問題ないか。
読後感は爽やかけど、余韻が残ったりはしない。腰を据えて読むよりも、ちょっとした空き時間に読むような本だと思う。池袋ウエストゲートパーク
約束
失った者との約束短い短編集だけど、心が洗われていくような短編ばかり。
よくぞ、ここまできれいなものを集められたと感心した。
亡くなった人を想い、失ったことの悲しみから、やがて立ち上がり、
そして前を向いて歩き出す物語。
だから決して喪失感ばかりの泣かせる物語ではない。
涙は出ないけど、読んだ後に、なんともいえない優しい想いがわき上がる。
こんな風に亡くなった人を想うことができれば、人は誰も優しくなれると思う。
思わず見つけた「いい本」
忙しさに忙殺されている人は、ぜひ一度読んでみてほしい。
約束初めて作者の短編集を読みました。内容はシンプルでしたが、石田衣良さんのさりげない表現がとても心地よかったです。何の約束?と最後まで思いながら読みました。男の子の勇気と友情、とてもいいなと思いました。通り魔に刺された一人の勇気ある小学生、残された者の方が辛いと言う現代をよくあらわしているなと思いました。
石田作品の中では、落ち着いた一冊 また一冊、良い本を見つけた。
石田さんは優れた仕事をされていると思う。普遍的な何かを追うのもよいが、現代日本をしっかりと描ききるのも大事だと、確か「LAST」の後書きで書かれていたが、その本道を行っている。
短編集だが、冒頭に配置されている表題作「約束」は池田小学校の通り魔事件に材を取っている。無論、それが勝手な想像や偽善になりがちであることを踏まえながらも、石田さんなりの重みで、しっかりと独立した物語を作っていく。
個人的には、本作のなかの二編ほどは、まるで自分のことのように響き、追体験をしながら、何がしかが胸の中を通り過ぎていった。
優れた作品ゆえの感覚だろう。約束 (角川文庫 い 60-1)
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I LOVE YOU (祥伝社文庫 ん 1-42)
I LOVE YOU (祥伝社文庫 ん 1-42)伊坂 幸太郎
お買い得!
短編集、そして文庫。
なのに読後かなりの満足感。
6編のなかでも
井坂幸太郎「透明ポーラーベア」が一押し。
そうくるか。。。のしゃれた落ちはさすが。
『ゴールデン・スランバー』を一番に読んでしまい、
井坂作品の『次』を探していたので読める確信を得た。
石田衣良「魔法のボタン」、市川拓司「卒業写真」はまあそれなりに。
中田永一「百瀬、こっちを向いて」、中村航「突き抜けろ」はまずまず良し。
本多孝好「Sidewalk Talk」 は 読ませる。
さらりと書いていて、それでいて読後に残る感じは
彼の別作品にいかせるに十分の魅力あり。
ハードカバーはどうか?という人にお薦め>お試しの一冊。
バラバラに書評読むより確実に各人の匂いなるものが解る。
好きな作者が見つかる…かも
6人の男性作家の短編恋愛小説です。伊坂幸太郎が好きなので読んでみました。伊坂の「透明ポーラーベア」はクールな感じであんまり恋愛小説っぽくないですが、伊坂が好きな人は気に入りそう。他の5人は実は初めて読む方ばかりだったので新鮮でした。私は本多孝好氏の「Sidewalk Talk」が良かったです。人によって好みが分かれそうですが、一つぐらいは気に入る作品が見つかるかもしれません。いつも同じ作者の本ばかり読んでいたので、自分に合った作者を探す目的で読んでみるのもいいと思いました。
旬な男性作家陣による恋愛短編小説オムニバス
収録作品=伊坂幸太郎「透明ポーラーベア」、石田衣良「魔法のボタン」、市川拓司「卒業写真」、中田永一「百瀬、こっちを向いて」、中村航「突き抜けろ」、本多孝好「Sidewalk Talk」
人気男性作家陣による短編小説集。伊坂、石田、本多氏の小説はそれぞれ持ち味がでているので、彼らの作品が好きなら満足できると思う。各々☆5つ。
中村氏の「突き抜けろ」は木戸さんという主人公の友人の先輩のキャラが強烈で、恋愛小説というより少しレトロな青春小説のようだった。☆3つ半。中田氏はよく知らなかった作家だが、地味な主人公を配しながらなかなか面白かった。☆4つ。市川氏のは少し期待はずれだった。☆3つ。
I LOVE YOU (祥伝社文庫 ん 1-42)
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親指の恋人
親指の恋人石田 衣良
格差社会の恋愛は
お金に不自由したことの無いお坊ちゃんと
出会い系でバイトする下級少女の恋愛
出会いもそこから発展する付き合いも
すぐそばにあるリアルな恋愛
しかし互いの生きてきた道の違いが
価値観のギャップをうむ
現代版ロミオとジュリエット
文句とおりのストーリーは
違う視点から格差社会を見せてくれる
親指の恋人
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夜を守る
夜を守る石田 衣良
衣良さん好きには勧めるまでも無くイイ
IWGPインアメ横?
いやいや場所の違いがエピソードの違い
場所が違えど衣良カラー
皆さん期待の展開+急展開
の毎回加速し読むものを魅了するステーリー(笑)
4人のガーディアンエンジェルズの悪戦苦闘
ともに戦いましょう
夜を守る
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5年3組リョウタ組
5年3組リョウタ組石田 衣良
健やかな青空みたいな小説。読んでいて気持ちいい。
石田衣良初の新聞連載小説。教師生活4年目の中道良太は、茶髪にネックレス、と、
外見はいまどきの青年風でありながら、涙もろくて熱血でまっすぐで、
自分を丸ごと出して人にぶつかっていくことを恐れない古風な25歳の男性。
そんな「いいヤツ」の良太が、ひとりの教師として、そしてひとりの人間として、
児童や、児童の家族、そして学校内の人たちにも真正面から向き合う姿は、
愚直なほど清々しくて、潔い。
そんな良太がある公立小学校の5年生の担任として頑張る話だが、
周囲の同僚教師も個性的だし、生徒も「優等生はいい子で
落ちこぼれは実はさみしがりやで」みたいなワンパターンに
当てはまらない、それぞれの個性を持っている手ごわい子供たち。
誰に対しても無防備に自分をさらしてぶつかっていく良太の
やりかたは、自分も傷つくリスクを恐れないという意味で、
とても勇敢だ。その直球ぶりにあこがれるエリート先生や
気弱で登校拒否をしてしまった先生など、先生たちもそれぞれ
ひとりの人間としてビビッドに描かれている。あとがきで石田さん自身が
「新聞小説の依頼を受けて、僕がかねてから漱石の作品の中で
一番抜け感がいい!と思った「坊ちゃん」みたいなものを
書きたいと思った」みたいに書いていたんだけど、その試みは
なかなか愉快で気持ちのよい小説として成功したと思う。
本当に器用で色々なタイプの作品を描き分ける石田さんですが、
個人的には、彼は凄くまっとうで健やかな精神の人だなーという
印象なので(テレビでのコメンテーターとしてのコメントを聞いても
エッセイなどを読んでも)、こういう爽やか系小説がイヤミなく
ハマってるなーと思いました。実際の学校はもっと荒れていたり、
問題も根深いのかもしれないけど…でも、この小説を読んだあとは、
元気が出て、自分も何か頑張ろう、と思えます。
本当のことを見抜く力
どんな教師でも教師にになると決めた時必ずこんな教師になりたいって思っていたはず。
どんな世の中になっても大事なことを見失わない力、感性それだけは失っちゃいけないと思わせてくれる。
組織に埋もれることなく、自分の考えを貫く強さは、「踊る!大捜査線」の青島刑事を彷彿とさせる。
あたたかい涙があふれます
読みながら、何度も泣きました。
胸の中に押さえ込んでいた気持ちを、厳しい親の前で勇気を出して震えながらも話すことができた本多くん、クールで優秀な染谷先生の生い立ち、
それに上司である学年主任から陰湿ないじめにあい、心身を病んでしまった立野先生が、あるきっかけで又、教師として復帰するところは、涙なしには読めません。
毎日何をしでかすかわからない子供と一緒に、悩み考えながら成長していく良太先生の姿が、とてもまぶしくすがすがしいです。
そんな大好きな良太先生のためにと、クラスの子供たちも学年一のクラスになろうと頑張るのですが、それがまた思いもよらぬ問題を引き起こします。
でも、あっと驚く結末が・・・!
いっぱい泣いたあとに、どんなことがあっても大丈夫!と勇気がわいてくる一冊です。
余談ですが・・・
良太先生が憧れの年上教師と本屋デートする場面で出てくる、中年女性と17歳年下の青年の恋愛小説というのは、石田さんご自身の作品『眠れぬ真珠』のことかな?
とニヤリとしてしまいました。
5年3組リョウタ組
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