山本一力

深川の名コンビ

深川の名コンビ登場人物が多いのに、まるでドラマを見ているように全部すっきりと入ってきました。
キャラが立っているからでしょうね。
主役の新太郎、尚平、脇を固める寅、源次、木兵衛、芳三郎、猪之吉・・・。
どのキャラクターも好きです。
ちょっとしたことですぐに走り較べになってしまうご都合主義も
かえって、喧嘩っぱやいお祭り好きな下町の男たちがイメージできてよかったです。
人の生き死にに関わる大きな事件が起こるわけでもなく、連作の話を
これだけしっかりと読ませるのも、作者が町人の生活をしっかりイメージ
していきいきと書いているからだと思います。

深川駕籠 (祥伝社文庫)

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なんか、尻すぼみ

なんか、尻すぼみ 最終話の終わり方が唐突のような感じがします。
 広げた風呂敷をしまわないような、本格推理小説で犯人はわかったものの動機がわからないような、そんな読後感。話自体はかなりおもしろいのに…
 続編希望。

面白い!面白い!定斉売りの蔵秀たち4人組が知恵を出し合い、厄介ごとを解決する話。5編に分かれているが、連作で、内容もつながっている。大仕掛けなアイディアが面白いし、豪商と渡り合ったり、成り上がりの悪徳商人を懲らしめたりが愉快。深川黄表紙掛取り帖 (講談社文庫)

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誰が主人公?

インスピレーション・・・一乃、鉄幹、幹太郎の親子が暮らす裏店の様子や、一乃が渡世人のところに単身飛び込むところがスカッとした。
さくさく話が進みます。

ただ反面、話の謎ときがヒロインの一乃のインスピレーションで済んでしまうところがどうも・・・もう一つ。。。
なんでもかんでも一乃のインスピレーションで解決してしまうのは安易だし緊張感がうすれます。
それに、鉄幹の知恵者としての立場がないですし。

誰が主人公? 大店の娘だった一乃が、訳あり知性派の鉄幹と駆け落ちして、長屋住まいをしている。愛嬌のある一人息子と、かなりオッチョコチョイの猪突猛進型一乃の、元気な生き様が活写されている。江戸市井小説だが、主人公がはっきりせず、今作では産婆のお加寿が、タイトルに絡んだ重要な役どころを務める。 抜け荷、にせ金、かどわかしと、かなりの大事件が起き、緊迫感がある。そして、たくさんいる登場人物それぞれの存在感は、見事に描き分けられている。 ただ、一作としての完成度はやや低く、シリーズものを意識したような顔見世作品になっている。はぐれ牡丹 (時代小説文庫)

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研ぎ師太吉

職人、男の心意気
○あらすじ○
 裏店の角部屋で刃物研ぎを生業とする太吉。父の形見の出刃包丁を研いでくれと“かおり”という娘が訪ねてくる。板長だった父親は同じ料理人の利吉に殺されたという。数日後、当の利吉が殺され、かおりが下手人として自身番に留め置かれているという。太吉はかおりの濡れ衣を晴らす為に……

○感想○
 話の筋で描かれるのは、職人の心意気、男と男の繋がりと、山本一力氏の世界が広がる。人と人との繋がりが事件解決へと導いてくれるのは、他の捕物帳とは異なって、山本一力氏らしい展開である。殊に目明しが太吉に嫌がらせをするシーンは本当に腹が立つくらい嫌らしく書かれていて、自然と太吉に感情移入してしまう。ただ、最後の終わり方が唐突な感じがして、物足りなかったので、星4.7つ。研ぎ師太吉

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大川わたり (祥伝社文庫)

大川わたり (祥伝社文庫)山本 一力勇気と力を与えてくれる
真面目に働いていれば何のことはなかったのに。ちょっとした

ことがもとで人生につまづいてしまった銀次だったが、周りの

人たちに助けられ支えられてようやく立ち直りのきっかけを

つかむ。だが、そのことをよく思わない者もいた・・・。

作者お得意のパターンの話だ。人生、時にはしくじることも

あるが、コツコツと地道に真面目に努力をすれば、いつかきっと

報われる。この作品は、読み手に勇気と力とを与えてくれる。

江戸の町に暮らす人たちの人情もほのぼのとして心地よい。

読後感もさわやかだった。

勢いがある作品
大工の銀次は賭場の借金を返すまで大川を渡れなくなる

という妙な約束を達磨の猪之介とさせられる。

剣術道場の堀正之介老人に従って、木刀の素振りや、

お店言葉を使ったり、千代屋で呉服屋の手代に商売替えをさせられたりと、

前半はかなり変わった更生サクセスストーリー。

猪之介の賭場の代貸・新三郎の執拗な嫉妬心から、銀次がはめられていく

ストーリー展開といい、どとうのまくりのクライマックスといい、この話には

勢いがあります。

結末にはだまされました。

出版に際して手直ししているとはいえ元が山本一力さんが、生まれて初めて

書きとおした長編小説というところから、あー、なるほどだから勢いがあるのか

と思いました。

細かい部分は気にせずに、勢いにまかせて読まされてしまうといいと思います。

一力作品はさわやかEND  
大川わたりというタイトルが粋だね。「わたり」が「渡り」だったら本を手にしていなかったと思う。一力作品に初めて女の色香と濡れ場の場面が出てきた。藤花と名乗る芸妓あがりの女。今の女優さんに当てはめると誰がふさわしいかななどと思いは巡り作中にのめりこみ。クライマックスは言うてはなんだけど、これまでのまじめなストーリーからして奇想天外。おおだんなさんの解決方法、登場人物の扱いかた、場面設定は趣向を凝らして?おもしろい。そして,最後はめでたし、めでたし・・・・一力作品はさわやかEND  今晩も健やかに眠れそうです。おやすみなさい。
大川わたり (祥伝社文庫)

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京風の豆腐をひっさげて、あかね空

いい話京風の豆腐をひっさげて、江戸で店を構えた永吉とその妻おふみとその家族の波乱万丈の物語(時間でいえば五十年ほどに渡る)。江戸とは違う京豆腐が受け入れられるまでの苦心と成功の話でもあるが、それだけではない。家庭内での行き違いやトラブルがありつつも、家族が一緒に協力してやっていく様子も作品の一つの柱となっている。前半は永吉一家の成功を祈りながら割と気分よく読めるのだが、家庭の問題が積み重なる後半はどうしてもやや沈鬱な気分になるわけだが、それはおもしろさを阻害するものではない。むしろ単純なハッピーエンドに終わらせない意気込みを感じる。描写においては、作中人物の目線やちょっとした仕草を、最近みたことないくらいに丁寧に(とはいえくどくならない程度に)書いており、かなり映像に近いものとして頭に浮かんでくる。個人的にはそれがちょっとした特徴として気に入った。

気持ちのいい読後感安心していい小説が読みたくて、手に取った小説。
期待通りでスッキリと読めました。

中盤から、いろんな事がうまくいかない、
伝えたい事が伝わらないことで、
もどかしさを感じつつ、
最後は気持ちよくまとめるのは、さすがです。

残念だったのは、
永吉、おふみがもうちょっと浮かばれてほしかった。

時代物なので読みづらいと思いきや、
とても気持ちよく頭に入ってくる文体で、
あいかわらずいい読後感が味わえます。

後半は読む楽しさが半減した前半と後半で評価を分けたい。前半が星5つ、後半は星3つかな。

まず前半。
京から江戸に上って来て豆腐屋を開業する永吉と、その妻となるおふみを中心に物語が展開するのだが、その展開が一本筋で、とても読みやすい。
くどくどした説明文がほとんどなく、実に刻々と素直な時間経過で、流れるように話が進んで行く。
だらだらした文体ではなく、エピソードの一つ一つが小気味よく語られるのも話の展開が速い理由だろう。

ふたりを取り巻く家族や近所の人間関係もさわやかで、ほのぼのとしたホームドラマを見ているように、気持ちよく読み進めることができる。

それから後半。
永吉とおふみに子供ができたあたりから、ちょっと展開が変わって来る。
話の展開を遮るように、夫婦や子供たちの個人の視点で回顧が繰り返され、これまでの出来事に対するそれぞれの視点からの事実が語られるのである。
明るくはきはきした娘だったおふみが、ゆがんだ性格の中年として描かれて行く(それは表面上でのことなのだが)ため、ゆったりとした気持ちで読み進めない。

できれば、周りの隠された好意や悪意が、当事者たちにすっきりと分かって大団円となれば読後感も良いのだけど、
それを知らないまま当時者が死んでしまい、小説の中だけで事実が語られてもなんだかなぁ、とも思う。
親子二代、30年間の物語だし、読む者だけがすべてを分かればそれでいいのでしょう。あかね空 (文春文庫)

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たすけ鍼

たすけ鍼山本 一力途中?
3分の2くらいまでは順調に楽しく読んでいたのですけれど、そのくらいから2つ疑問点が残ったまま終わってしまいました。

なんだか尻切れトンボです。

川に流される前の用事の件は、どうなったのか?そこが出ていないし、

朝鮮人参で儲けている店の一件はどうなったの?

うーん、気になります。一力さん。
たすけ鍼

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だいこん (光文社文庫)

だいこん (光文社文庫)山本 一力やっぱり、上手い!
山本一力と浅田次郎の共通点と思うのは、一つの小説の中で、幾つもの時代が重層的に語られて行くところかも知れない。

浅田氏は、大胆かつ、細かく繰り返し、物語のアクセントに使うし、山本氏の場合、緩やかにエピソード的に差し込んでくる振りをして、実は展開そのものが大きく変わっていたりする。

この「だいこん」でも、主人公の子供時代、起業時代、現在と言った時代分けでストーリーが

展開している。

そして、主人公の父親、大工が何か、物凄く実在臭い、山本氏特有の体臭すら感じるぐらいに描かれている。まるで、山本氏の知人では無いかと思うのだが。。。

今回は、日本橋界隈を中心に描いているが、いつもながらの細かな描写、たとえば目黒行人坂の大火(多分、八百屋お七の付け火だと思うが)での半鐘を鳴らす様子や、様々な職業における特性の描き込みに感心しきり。

やっぱり、江戸庶民を書かせると、上手いなぁと思うのでした。

つばきの今後に期待
初めて山本さんの小説を読みましたが、江戸での生活をしっかりと丁寧に記述しています。

江戸が舞台になっている一膳飯屋「だいこん」の困難を乗り越えていく話しではありますが、女主人つばきは持ち前の観察力と鋭い勘、物腰の柔らかさそして一度決めたら即座に行動できる俊敏さを活かして次々とステップアップしていく姿に惚れてしまい、購入後2日間で読み上げてしまいました。

続編をとても期待したくなる小説でした。シリーズ化になって欲しいと思います。

人情気質がすばらしい
やっと文庫で出たという思いです。

作家買いで読んでいますが、テンポの良さと人間のおもしろさがあります。

山本一力氏の得意とするフィールルド

江戸・深川・職人・商人・家族ですが、一気に読み込める作品です。

もう一度、家族とは?

働くということは?

商い(商売)を考え、サービスとは何かを考えさせられた作品です。

だいこん (光文社文庫)

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